カミュ「反抗的人間」を読んだ

古本屋巡りしてたらカミュ全集セット5000円という素晴らしいもの販売しているのを見つけてしまったので即買い。 第6巻である「反抗的人間」から読み始めた。

カミュ全集〈6〉反抗的人間 (1973年)

カミュ全集〈6〉反抗的人間 (1973年)

ぶっちゃけヘーゲルおじさんとマルクスおじさんをベースにしたあたりは、ここいらの素養が無くてあまり頭に入ってこなかった。「シジフォスの神話」の続きとして政治・社会領域までその論理を発展させたのが本書らしいので、それらなしに読むのが悪いのだが。

カミュの魅力はやはり諾と否に引き裂かれそうになりつつもそれの身と目を強かにしなやかに捉え続ける思想の健全さにこそあるということを確認できた。 ニヒリズムでもなく革命でもなくその間の緊張した状態である「反抗」、その現れとは何なのか未だ分からないことだらけだがその思想の口当たりの良さが「ペスト」や「シジフォスの 神話」や「異邦人」などの魅力だと思うので改めて掘り返したい作品だった。

具体的には作品中にカリャーエフのくだりが出てきたが「正義の人々」をまた読んだあとで出直してきたい。